【ニュース解説】 建設業倒産2041件・過去10年最多——価格転嫁できない中小事業者に迫る構造的危機

建設業、建築業の倒産について解説

建設業倒産、過去10年最多——価格転嫁できない事業者が退場を迫られる時代へ

2025年度の企業倒産が1万425件と2年連続で1万件を超えた。建設業は2041件で過去10年最多。物価高・ 人手不足 が中小企業を直撃し、2026年度はさらなる増加が懸念される。

元の記事:

倒産集計 2025年度報(2025年4月~2026年3月)

帝国データバンク、2025年度企業倒産件数1万425件で4年連続増加・2年連続1万件超と発表

概要

何が起きたか 2025年度の企業倒産が1万425件と4年連続増・2年連続1万件超えとなり、建設業は2041件で過去10年最多を記録した。

本質 コスト上昇分を 価格転嫁 できない中小零細企業の体力が限界を迎えており、価格転嫁率42.1%という構造的な弱さが倒産増加の根本にある。

現場への影響 建設業では物価高倒産247件・人手不足倒産112件・後継者難倒産123件が重なり、下請け・中小施工会社を中心に受注機会があっても事業継続できないケースが増加している。

今後どうなるか 原油高騰による建材・資材コストのさらなる上昇に加え、2026年度は賃上げに伴う社会保険料負担増も重なり、夏以降に倒産件数が急増する可能性が高い。

当NPOの理事がこのニュースを分かりやすく解説

本件により業界は何が変わるのか

中小・小規模事業者の淘汰が本格化する局面へ

2025年度の建設業倒産は2041件と過去10年で最多を記録した。注目すべきは件数よりもその内訳だ。負債5000万円未満の小規模倒産が全体の62%超を占め、資本金1000万円未満の事業者が全体の72.7%に達している。これは大手・中堅の経営危機ではなく、現場を支える一次・二次下請け層の体力が限界を迎えていることを示している。

物価高倒産247件、人手不足倒産112件、後継者難倒産123件が建設業に集中している事実は、単なる景気後退の話ではない。コスト構造の変化に対応できる内部体制を持てなかった事業者が、静かに退場を迫られているという現実だ。

この動きの本質はどこにあるのか

価格転嫁できない構造と、可視化されていない経営実態

帝国データバンクの調査では価格転嫁率は42.1%にとどまる。資材費・外注費・燃料費が上昇しても、それを工事価格に反映できていない事業者が半数以上存在するということだ。

この背景には、建設業特有の多層下請け構造がある。元請けとの交渉力を持てない事業者ほど、コスト上昇の吸収を強いられる。さらに深刻なのは、そもそも自社のコスト構造を月次で把握できていない事業者が相当数存在することではないかと考えている。単価管理・原価管理・資金繰りの可視化が遅れていれば、交渉の土台すら作れない。業績の良い会社が月次決算を早く締めるという事実は、経営の健康診断が機能しているかどうかの差でもある。

加えて、コロナ融資で延命した事業者の整理が進んでいることも見逃せない。実態的な競争力を持たないまま存続してきた事業者が、この局面で退場していくという側面もあるだろう。

建築業界は今後どこに向かうのか

レジリエンスを持つ事業体だけが次のサイクルを迎えられる

原油高騰は建材・化学品・輸送コストに連鎖し、今後も資材価格の改定通知が続くことが予想される。この変化のスピードに対応できる事業者とできない事業者の差は、今後さらに広がる。

生き残る事業者の条件として見えてくるのは、交渉力・原価管理・取引先の分散という三点だ。一社依存・一業種依存の事業ポートフォリオは、外的ショックへの耐性が極めて低い。変化への順応力、すなわちレジリエンスを持てるかどうかが、次の建設市場における競争優位の軸になると考えている。

着工数が減少し工事がいったん停滞しても、市場が回復した際には再び 人材不足・資材不足 の波が来る。その波を乗り越えられる体制を、今の静かな時期にどれだけ整えられるか。足を溜めておくことの重要性を、業界全体が問われている局面だと見ている。

山口 剛 株式会社遠藤紙店

Author:山口剛

プロフィール

## 活動概要

山梨県出身。家業である壁紙卸売業を継承しながら、壁紙専門店「WALLPAPER STORE」のウェブ編集者として従事。幼少期より壁紙という素材に親しみ、成人後にその真の魅力を認識。「空間を一変させる壁紙の力」に感銘を受け、家業の発展とともにインテリア業界における新たな事業展開を開始した。

「WALLPAPER STORE」においては、壁紙の魅力をより広範囲の顧客層に訴求するため、ウェブサイトおよびSNSを通じた情報発信を担当。DIY愛好家のチームメンバー、ならびに施主の要望と生活様式に寄り添いながらインテリア空間を共創する「ウォールスタイリスト」と連携し、初心者にも取り組みやすいアイデアをブログおよび各種コンテンツを通じて提供している。

## 経歴

1983年、山梨県甲府市生まれ。慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)卒業後、株式会社インテリジェンス(現:パーソルキャリア株式会社)に新卒入社。事業企画部門において、中期経営計画の策定、予算管理、プロジェクトマネジメント等に従事。関連会社の統合、事業譲渡、合弁会社設立等、多岐にわたる企業戦略業務に携わり、豊富な実務経験を蓄積した。

## 個人について

家族との時間を大切にし、週末は息子のサッカー活動に積極的に参加している。また、浦和レッズの熱心なサポーターとして、週末のテレビ観戦を楽しみとしている。




【ニュース解説】大工は2035年に15万人へ――国交省とりまとめが示す担い手危機と、業界が問い直すべき「本質的な一手」

建設業の労働人口減少を考察

担い手不足に複合施策で応じる限界――「選ばれる業界」への転換に必要な視点とは

国土交通省が住宅建設技能者の確保に向けた懇談会とりまとめを公表。大工就業者は2035年に15万人まで減少する見通しの中、社員大工化や地域工務店の経営強化など4つの視点で方向性を示した。

元の記事:

住宅建設技能者の持続的確保に向けた中長期ビジョン策定検討委員会 配布資料

「住宅分野における建設技能者の持続的確保懇談会」のとりまとめを公表!

概要

   

何が起きたか(事実)

国交省が住宅建設技能者の持続的確保に向けた懇談会とりまとめを公表し、2035年に大工が15万人まで減少するという見通しを示した

本質(構造)

職人の個人依存・ 一人親方 モデルが限界を迎えており、雇用・育成・経営の構造ごと変えなければ担い手は確保できないという認識が官民で共有された

現場への影響(影響)

社員大工化・CCUSによるキャリア可視化・女性や外国人材の受け入れ整備など、現場の雇用慣行と職場環境の見直しが求められる

今後どうなるか(変化)

官民連携 の中長期ビジョン策定へ移行し、地域工務店の M&A ・アライアンス・DX導入など経営モデルの転換が政策的に後押しされる

当NPOの理事がこのニュースを分かりやすく解説

■ 本件により業界は何が変わるのか

国が「構造問題」として認定した意義は大きい

2035年に大工就業者が15万人まで減少するという推計は、業界関係者にとって驚きではない。しかし国交省がこれを正式にとりまとめとして公表し、「社員大工化の推進」「地域工務店の経営基盤強化」を方向性として明示したことには、一定の意義がある。

これまで担い手不足は現場の問題として処理されてきたが、今回の懇談会は雇用・育成・経営という三層にわたる構造問題として整理した。社員大工化やCCUSによるキャリア可視化、M&A・アライアンスの促進といった方向性は、個社の努力では解決できない課題を政策として扱い始めたサインとして読むべきだろう。

■ この動きの本質はどこにあるのか

施策の多さが、スイッチボタンの不在を示している

とりまとめを読んで率直に感じるのは、課題認識の精度に比べ、打ち手の解像度が低いという点だ。DX推進、女性活躍、外国人材受け入れ、魅力発信——いずれも否定できないが、これだけの施策を並列すると、どれが構造を変える「一手」なのかが見えなくなる。

1990年代のニューヨーク市が犯罪多発の状況を打開した際、有効だったのは複合施策の総量ではなく、構造的なボトルネックを特定し、そこにシンプルに介入したことだった。住宅建設業界にも、同様の問いが必要ではないか。「何をやれば変わるか」ではなく、「何が変われば他が連鎖するか」という問いの立て方だ。

業界が長年抱える本質的な課題は、職業としての憧れの欠如と、努力が報酬に直結しない構造にある。ノルウェーが漁業の担い手不足を解消した際、政府は大型船化と処遇の抜本改善によって「かっこいい職業」に転換することに集中した。PRサイトの構築ではなく、職業の魅力そのものを変えたのだ。今回のとりまとめがその視点に踏み込めているかどうかは、慎重に見極める必要がある。

■ 建築業界は今後どこに向かうのか

官の方針を「刺激」として、民が問いを立て直す局面

国が中長期ビジョンの策定に向けて動き出したこと自体は、業界にとってフォローウィンドになり得る。ただし、政策の実装力には構造的な限界がある。現場の雇用慣行や取引慣行を変えるには、実務を担う事業者・団体が主体的に動く必要がある。

地域工務店の事業承継やアライアンス促進、パネル化・AIの導入といった方向性は、経営の視点から見れば十分に合理的だ。問題は、それを誰がどう実装するかの絵が描かれていない点にある。

建築業界は今、高度経済成長期に固定化された業務構造と雇用モデルの賞味期限が切れる局面を迎えている。国の方針を待つのではなく、業界内の実務者・NPO・教育機関が連携して「本質的なスイッチ」を特定し、提言として形にしていくことが求められている段階だと考える。

山口 剛 株式会社遠藤紙店

Author:山口剛

プロフィール

## 活動概要

山梨県出身。家業である壁紙卸売業を継承しながら、壁紙専門店「WALLPAPER STORE」のウェブ編集者として従事。幼少期より壁紙という素材に親しみ、成人後にその真の魅力を認識。「空間を一変させる壁紙の力」に感銘を受け、家業の発展とともにインテリア業界における新たな事業展開を開始した。

「WALLPAPER STORE」においては、壁紙の魅力をより広範囲の顧客層に訴求するため、ウェブサイトおよびSNSを通じた情報発信を担当。DIY愛好家のチームメンバー、ならびに施主の要望と生活様式に寄り添いながらインテリア空間を共創する「ウォールスタイリスト」と連携し、初心者にも取り組みやすいアイデアをブログおよび各種コンテンツを通じて提供している。

## 経歴

1983年、山梨県甲府市生まれ。慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)卒業後、株式会社インテリジェンス(現:パーソルキャリア株式会社)に新卒入社。事業企画部門において、中期経営計画の策定、予算管理、プロジェクトマネジメント等に従事。関連会社の統合、事業譲渡、合弁会社設立等、多岐にわたる企業戦略業務に携わり、豊富な実務経験を蓄積した。

## 個人について

家族との時間を大切にし、週末は息子のサッカー活動に積極的に参加している。また、浦和レッズの熱心なサポーターとして、週末のテレビ観戦を楽しみとしている。




【ニュース解説】サンゲツ「イノパネル」が変える壁紙施工の未来――職人不足時代の新建材を業界構造から読む

サンゲツのイノパネルのイメージ画像

「イノパネル」登場で問われる内装業界の構造転換――工程の工場移転と持続可能な施工体制

サンゲツが壁紙と石膏ボードを一体化した新建材「イノパネル」を発売。パテ処理・ビス留め不要で、100㎡あたり約180分の 工期短縮 を実現。職人不足・ 高齢化 が進む建設現場の課題に応える。

元の記事:壁紙+石膏ボードを一体化、パテ処理・ビス留めが不要に

 

概要

   

何が起きたか(事実)

サンゲツが壁紙一体型石膏ボード「イノパネル」を発売し、パテ処理・ビス留めなど現場工程を省略可能にした

本質(構造)

職人依存の内装施工を工業化・規格化することで、技能なしでも一定品質を担保できる仕組みへ転換

現場への影響(影響)

施工時間・騒音・技能要件が大幅に低減され、少人数・短工期での内装仕上げが現実的になる

今後どうなるか(変化)

同様の「工場完成品+現場レス」アプローチが内装材全般に広がり、職人不足への構造的対応として標準化が進む可能性がある

 

当NPOの理事がこのニュースを分かりやすく解説

■ 本件により業界は何が変わるのか

施工プロセスの「工場移転」が本格的に始まった

サンゲツのイノパネルが示す最大の変化は、効率化という表層の話ではない。これまで現場職人の手作業で支えてきた「下地補修→糊付け→壁紙施工」という一連の工程を、工場側に移転するという構造転換だ。

100㎡あたり約180分の短縮という数字よりも重要なのは、施工品質が職人の熟練度に依存しなくなるという点である。パテ処理やビス留めが不要になることで、技能レベルの差が仕上がりに直結しにくくなる。 人手不足 が常態化する現場において、これは実務上の意味が大きい。

■ この動きの本質はどこにあるのか

バリューチェーンの再編と、素材メーカーの川下進出

本件を単なる新建材の発売として見るのは浅い。サンゲツ・フジプレアム・吉野石膏という三社連携の構造に、業界再編の予兆が見える。

従来、壁紙メーカーと石膏ボードメーカーは川上・川下で棲み分けており、現場施工は内装業者が担ってきた。イノパネルはその境界を意図的に溶かしている。吉野石膏のスマートJG工法との連携は、競合ではなく取り込みに近い。流通・施工体制を含めた既存の バリューチェーン が、中長期的に再構成されていく可能性がある。

また、「誰が施工するのか」という問いは未解決のままだ。大工か、内装職人か、あるいは新たな施工専門業者か。ここが整理されるまでは、大規模商業施設や工場など、均一面積が広い現場での先行導入にとどまるだろう。

■ 建築業界は今後どこに向かうのか

「規格化と個別対応」の両立が、次の競争軸になる

イノパネルの課題は、オーダーメイド性にある。現場の壁はそれぞれ異なり、規格品だけで全てを完結させることは難しい。Dボード が採寸精度を生命線としてきたように、本商品もイレギュラーな現場への対応力が普及の鍵を握る。

この動きはアジャイル的な市場投入と捉えられる。まず規格品でMVPを出し、市場の反応を見ながら仕様を洗練させていくサイクルだ。フィジカルAIなど計測・自動化技術との接続が進めば、採寸精度の課題は技術的に突破できる可能性がある。

総論として、「材料+技能」で成立してきた内装施工の在り方は、「製品+取付」へと移行しつつある。この流れは不可逆であり、業界の持続可能性という観点から見れば歓迎すべき方向性だ。選択肢が増えることが、まず第一歩になる。

山口 剛 株式会社遠藤紙店

Author:山口剛

プロフィール

## 活動概要

山梨県出身。家業である壁紙卸売業を継承しながら、壁紙専門店「WALLPAPER STORE」のウェブ編集者として従事。幼少期より壁紙という素材に親しみ、成人後にその真の魅力を認識。「空間を一変させる壁紙の力」に感銘を受け、家業の発展とともにインテリア業界における新たな事業展開を開始した。

「WALLPAPER STORE」においては、壁紙の魅力をより広範囲の顧客層に訴求するため、ウェブサイトおよびSNSを通じた情報発信を担当。DIY愛好家のチームメンバー、ならびに施主の要望と生活様式に寄り添いながらインテリア空間を共創する「ウォールスタイリスト」と連携し、初心者にも取り組みやすいアイデアをブログおよび各種コンテンツを通じて提供している。

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1983年、山梨県甲府市生まれ。慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)卒業後、株式会社インテリジェンス(現:パーソルキャリア株式会社)に新卒入社。事業企画部門において、中期経営計画の策定、予算管理、プロジェクトマネジメント等に従事。関連会社の統合、事業譲渡、合弁会社設立等、多岐にわたる企業戦略業務に携わり、豊富な実務経験を蓄積した。

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【ニュース解説】内装業界3社が健康経営優良法人2026に認定——人的資本経営が業界の持続性を左右する時代へ

建設業の人的資本について考察

内装業界に広がる健康経営——3社認定が示す、人的資本経営の実装と業界持続性の関係

トーソー・サンゲツ・デコリアの3社が「健康経営優良法人2026」に認定。内装業界でも人を経営資源と捉える動きが広がり、職務満足度の数値改善など実績を伴った取り組みが評価されている。

元の記事:

デコリア 健康経営優良法人2026「ブライト500」に認定


概要

(事実)内装業界の主要3社が健康経営優良法人に認定

(本質)福利厚生から「経営戦略としての人的資本管理」へのシフト

(影響)採用・定着・品質維持に直結する組織づくりが現場競争力を左右

(変化)担い手不足が深刻化する中、健康経営の実装が業界の持続性を分ける

当NPOの理事がこのニュースを分かりやすく解説

■ 本件により業界は何が変わるのか

「いい会社」の定義が、印象から実績へと移行しつつある

トーソーの健康経営優良法人認定(大規模3年連続・7年連続)、そしてデコリアのブラインド500認定は、インテリア・内装業界においても人的資本経営の可視化が始まっていることを示している。デコリアでは職務満足度が56%から78%へと上昇しており、これは単なる福利厚生施策の結果ではなく、事業成長と組織状態の連動を示す数値として注目に値する。

健康経営認定が「広報的な活動」に留まらず、採用競争力・離職防止・品質維持という実務的な経営課題への対応手段として機能し始めている点が、今回のニュースの本質的な変化といえる。

■ この動きの本質はどこにあるのか

担い手不足・高齢化・技能継承という構造課題への、組織論からのアプローチ

内装業界が直面している課題は明確だ。担い手不足、技能者の  高齢化 、技能継承 の断絶、そして 人手不足 による倒産の増加——これらは建設・物流分野で特に顕在化している。

こうした構造の中で、健康経営や職務満足度の向上は「エッセンシャルワーカーをいかに確保・定着させるか」という問いへの、現実的かつ実践的な回答になりつつある。採用形態でも新卒36%に対し中途52%という傾向が示すとおり、人材市場の質的変化に対応するには、既存社員の満足度と定着率を高める組織づくりが先決となる。

デコリアの「全社員職人化計画」——自社製品を実際に施工体験することで商品価値を内側から理解させる取り組み——は、エンゲージメントと品質意識を同時に高める好例であり、業界の実務に根ざした人材戦略として評価できる。

■ 建築業界は今後どこに向かうのか

バリューチェーンの再構築と、「誰のための健全化か」という問い

一方で、大手が健康経営を標榜しながら、下請け・ 一人親方 への単価が実態として低下しているという構造矛盾は依然として残る。積水ハウスのような大手による職人の直接雇用・社員化の動きは、 バリューチェーン を一つの組織内で完結させようとする一つの方向性であり、業界再編の予兆とも読める。

加えて、中東情勢に連動した原油・塗料・壁紙素材の供給リスクは、製造から施工に至るバリューチェーン全体を揺さぶる外部変数として注視が必要だ。

業界の持続性は、商品・施工技術の高度化だけでは担保されない。働く一人ひとりの状態が内装品質を支えているという認識のもと、組織・採用・技能継承を統合的に設計できる企業が、次の競争優位を獲得していくと考える。NPOとしても、この観点を業界内の対話に組み込んでいく必要がある。

山口 剛 株式会社遠藤紙店

Author:山口剛

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## 活動概要

山梨県出身。家業である壁紙卸売業を継承しながら、壁紙専門店「WALLPAPER STORE」のウェブ編集者として従事。幼少期より壁紙という素材に親しみ、成人後にその真の魅力を認識。「空間を一変させる壁紙の力」に感銘を受け、家業の発展とともにインテリア業界における新たな事業展開を開始した。

「WALLPAPER STORE」においては、壁紙の魅力をより広範囲の顧客層に訴求するため、ウェブサイトおよびSNSを通じた情報発信を担当。DIY愛好家のチームメンバー、ならびに施主の要望と生活様式に寄り添いながらインテリア空間を共創する「ウォールスタイリスト」と連携し、初心者にも取り組みやすいアイデアをブログおよび各種コンテンツを通じて提供している。

## 経歴

1983年、山梨県甲府市生まれ。慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)卒業後、株式会社インテリジェンス(現:パーソルキャリア株式会社)に新卒入社。事業企画部門において、中期経営計画の策定、予算管理、プロジェクトマネジメント等に従事。関連会社の統合、事業譲渡、合弁会社設立等、多岐にわたる企業戦略業務に携わり、豊富な実務経験を蓄積した。

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【ニュース解説】物価高騰が直撃する建設業――価格転嫁できない構造と、業界が向かう先

倒産件数の増加を解説

建設業を揺さぶる原価高騰――構造問題と事業転換の分岐点

建設業界で原価高騰が深刻化しています。資材・人件費・燃料費が同時に上昇する中、 価格転嫁 できない構造的な問題が中小企業の経営を圧迫し、地域インフラの維持にまで影響が及んでいます。

元の記事:物価高時代に揺れる建設業 ― 原価高騰が現場に与える現実とは

概要

   

何が起きたか(事実)

資材・労務・燃料費が同時に高騰し、建設業の原価が数年前比で最大2倍近くに上昇

本質(構造)

契約時に価格が固定される公共工事の慣行により、コスト増を売上に転嫁できない構造が温存されている

現場への影響(影響)

中小建設業者を中心に赤字工事・資金繰り悪化が拡大し、地域インフラを担う担い手が失われつつある

今後どうなるか(変化)

大量施工モデルから地域密着・高付加価値型へのシフトが迫られ、価格・調達・受注の構造転換が不可避となる

当NPOの理事がこのニュースを分かりやすく解説

本件により業界は何が変わるのか

原価構造の「見える化」が待ったなしになった

2021年比で建築資材が38〜41%上昇しているという事実は、もはや一時的な価格変動ではない。資材・労務・燃料という原価の三要素が同時に上昇し続けている現状は、「コストを吸収しながら受注する」という従来の事業モデルが機能しなくなっていることを意味する。

特に深刻なのは、コロナ融資の返済が本格化する中で資金繰りが悪化している中小事業者の増加だ。赤字工事を受けざるを得ない状況が続けば、事業継続そのものが問われることになる。価格をどう積み上げ、どう交渉するかという「原価の可視化と説明力」が、今後の事業継続の鍵になる。

■ この動きの本質はどこにあるのか

問題は価格ではなく、「価格転嫁できない構造」にある

建築という商品の特性上、契約から納品まで長期間を要する。その間に資材価格が変動しても、契約金額は固定されたままというのが公共工事の実態だ。スライド条項という制度は存在するが、実務上の運用は進んでいない。設計単価の見直しも、市場の変化スピードに追いついていない。

これは一企業の交渉力の問題ではない。業界全体の商慣行と制度設計の問題であり、民間の努力だけで解決できる性質のものではない。NPO法人として調査・研究・提言を積み重ねていく必要があるのは、まさにこの構造的な部分だ。

また、特定の大口取引先や大規模案件への依存度が高い事業体ほど、景気変動の影響を直接受けやすい。 バリューチェーン 全体を視野に入れた事業設計の重要性が、あらためて浮き彫りになっている。

■ 建築業界は今後どこに向かうのか

「いかに多く売るか」から「いかに持続するか」へ

大量施工・コスト競争を前提としたモデルは、すでに限界に近づいている。今後の方向性として注目したいのは、地域密着型・高付加価値型へのシフトだ。維持管理や小修繕など、継続的な関係性の中で価値を提供できる領域は、価格変動の影響を受けにくい構造を持ちやすい。

一人親方 や中小事業者が自立できる仕組みを整えることは、個別企業の問題を超え、地域インフラの持続可能性に直結する。経済合理性だけに依拠したモデルが地域商圏を崩してきた歴史を繰り返さないためにも、業界全体として「持続可能な事業設計」を共通のテーマとして据えていく段階にきている。

山口 剛 株式会社遠藤紙店

Author:山口剛

プロフィール

## 活動概要

山梨県出身。家業である壁紙卸売業を継承しながら、壁紙専門店「WALLPAPER STORE」のウェブ編集者として従事。幼少期より壁紙という素材に親しみ、成人後にその真の魅力を認識。「空間を一変させる壁紙の力」に感銘を受け、家業の発展とともにインテリア業界における新たな事業展開を開始した。

「WALLPAPER STORE」においては、壁紙の魅力をより広範囲の顧客層に訴求するため、ウェブサイトおよびSNSを通じた情報発信を担当。DIY愛好家のチームメンバー、ならびに施主の要望と生活様式に寄り添いながらインテリア空間を共創する「ウォールスタイリスト」と連携し、初心者にも取り組みやすいアイデアをブログおよび各種コンテンツを通じて提供している。

## 経歴

1983年、山梨県甲府市生まれ。慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)卒業後、株式会社インテリジェンス(現:パーソルキャリア株式会社)に新卒入社。事業企画部門において、中期経営計画の策定、予算管理、プロジェクトマネジメント等に従事。関連会社の統合、事業譲渡、合弁会社設立等、多岐にわたる企業戦略業務に携わり、豊富な実務経験を蓄積した。

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【ニュース解説】新築着工戸数3カ月連続減——「量」から「質」へ、内装業界が問われる事業転換の本質

「量」から「質」へこの業界は転換できるか?

新設住宅着工3カ月連続減が示す構造転換——新築依存から既存住宅の価値向上へ

元記事はこちら:2026年1月の新築着工戸数 前年比0.4%減の5万5898戸

サマリー

国土交通省によると、2026年1月の新設住宅着工戸数は5万5898戸と3カ月連続で減少。 持家 は10カ月ぶりに増加したが、貸家・マンションの落ち込みが全体を押し下げた。

要点

  • 新築着工が3カ月連続減少(事実)

  • 持家回復の一方で貸家・マンション投資が冷え込む二極化構造(本質)

  • 賃貸・マンション系の施工計画見直しが現場に波及(影響)

  • 金利上昇と建設コスト高止まりが続く中、投資用物件の調整局面はしばらく続く見通し(変化)

当NPOの理事がこのニュースを分かりやすく解説

2026年1月・新設住宅着工戸数 前年比0.4%減——「量」から「質」へ、業界転換の分岐点

■ 本件により業界は何が変わるのか

着工数の減少は「異常値」ではなく、構造的な定常状態への移行である

2026年1月の新設住宅着工戸数は5万5898戸(前年同月比0.4%減)と3カ月連続の減少となった。種別で見ると、持家が10カ月ぶりに増加に転じた一方、貸家・分譲マンションは軟調が続いており、単純な「市場全体の冷え込み」とは異なる内訳を示している。

注目すべきは地域差だ。首都圏は総数でプラスを維持しつつもマンションが33.7%減、中部・近畿圏は貸家が大幅減。一方、その他地域では持家・貸家ともに増加している。この非均一な動きは、市場が「総量」ではなく「地域・用途別の需給再編」フェーズに入っていることを示唆している。

■ この動きの本質はどこにあるのか

新築依存型のビジネスモデルが、構造的な限界を迎えつつある

高度経済成長期以来、住宅産業は新築着工数をKPIの中心に置いてきた。しかし人口減少・世帯数の頭打ちという不可逆な流れの中で、着工数の漸減は「景気循環」ではなく「産業構造の転換点」として捉える必要がある。

国もすでに方向を変えている。住宅省エネ2026キャンペーンでは新築だけでなく既存住宅の省エネリフォームを支援対象に加え、国交省も既存住宅の質向上を政策の軸に据えている。この「新築から既存へ」という政策シフトは、業界のビジネスモデルを根本から問い直すシグナルでもある。

加えて、地方都市での コンパクトシティ 化の進行、都市部マンション需要の調整、一戸建て住宅の相対的な底堅さ——これらを重ね合わせると、住宅市場は「量の縮小」と「用途・地域の二極化」が同時進行していると読める。

■ 建築業界は今後どこに向かうのか

「今ある住まいをどう良くするか」を軸とした、価値提供モデルへの転換

今後の業界にとって問われるのは、新築着工数の回復を待つのではなく、 既存住宅ストック の価値向上にどう関与できるかという事業設計の問いだ。 リフォーム ・リノベーション 領域での提案力、省エネ対応の技術習得、そして適正価格での受注構造の構築が、実務上の競争軸になっていく。

また、住宅の耐久性・長寿命化という観点も見落とせない。アパート系の短いスパンでの建て替えサイクルと、一戸建ての40〜50年スパンの維持管理では、関わる業者に求められるスキルセットも収益モデルも異なる。この違いを意識した専門性の分化が、今後の差別化につながるだろう。

NPOとしては、着工数という「量の指標」だけでなく、誰がどんな住環境を支えているのかという「質と担い手の持続性」を継続的に観察・発信していく役割が一層重要になると考える。 技術継承 ・ 適正価格 ・ 担い手育成 ——これらは個社の営利活動だけでは解決しにくいテーマであり、業界横断の場だからこそ議論できる領域だ。

山口 剛 株式会社遠藤紙店

Author:山口剛

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山梨県出身。家業である壁紙卸売業を継承しながら、壁紙専門店「WALLPAPER STORE」のウェブ編集者として従事。幼少期より壁紙という素材に親しみ、成人後にその真の魅力を認識。「空間を一変させる壁紙の力」に感銘を受け、家業の発展とともにインテリア業界における新たな事業展開を開始した。

「WALLPAPER STORE」においては、壁紙の魅力をより広範囲の顧客層に訴求するため、ウェブサイトおよびSNSを通じた情報発信を担当。DIY愛好家のチームメンバー、ならびに施主の要望と生活様式に寄り添いながらインテリア空間を共創する「ウォールスタイリスト」と連携し、初心者にも取り組みやすいアイデアをブログおよび各種コンテンツを通じて提供している。

## 経歴

1983年、山梨県甲府市生まれ。慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)卒業後、株式会社インテリジェンス(現:パーソルキャリア株式会社)に新卒入社。事業企画部門において、中期経営計画の策定、予算管理、プロジェクトマネジメント等に従事。関連会社の統合、事業譲渡、合弁会社設立等、多岐にわたる企業戦略業務に携わり、豊富な実務経験を蓄積した。

## 個人について

家族との時間を大切にし、週末は息子のサッカー活動に積極的に参加している。また、浦和レッズの熱心なサポーターとして、週末のテレビ観戦を楽しみとしている。




【ニュース解説】リリカラ社長交代——壁紙業界に訪れた「売り方の転換点」

リリカラの社長交代は業界再編の序章である

リリカラ社長交代が示すもの——壁紙業界に訪れた「売り方の転換点」

元記事はこちら:代表取締役の異動に関するお知らせ

サマリー

壁紙・インテリア大手のリリカラが、2026年3月27日付で代表交代。副社長の岡田卓哉氏(50歳)が新社長に就任し、山田俊之氏は特別顧問へ。フランフラン出身の異色の経歴が注目される。

要点

  • 何が起きたか(事実) リリカラは3月27日付で、岡田卓哉副社長(50歳)が代表取締役兼社長執行役員に就任し、山田俊之社長が退任した。
  • 本質(構造) 山田俊之氏は2006年から約20年にわたり社長を務めた創業家関係者であり、 l後任の岡田氏はフランフラン(旧バルス)出身のインテリア小売畑のキャリアを持つ外部登用型の人材で、世代・文化の双方で大きな転換を意味する。
  • 現場への影響(影響) リテール・デザイン感覚に強い新トップのもと、BtoCやDX・不動産連携などの成長領域への傾注が加速する可能性があり、従来のデザイン力・物流力に加え、ITやDXを活用した新顧客サービス創出と施工力強化という方針 が現場でより本格的に問われることになる。
  • 今後どうなるか(変化) 山田前社長は特別顧問として残る形 で急激な断絶は避けつつも、岡田体制のもとで小売・空間提案型のビジネス展開が加速するかが今後の焦点となる。

当NPOの理事がこのニュースを分かりやすく解説

リリカラ社長交代が示すもの——壁紙業界に訪れた「売り方の転換点」

業績回復と人事刷新が同時に起きた意味

25年12月期の経常利益が前期比4.6倍の7.2億円に急拡大し、26期も16.9%増の8.5億円を見込むという業績回復のタイミングで、リリカラは経営トップを交代した。新築着工数が落ち込み、壁紙の出荷数量自体も微減が続く中での回復は、主に価格改定によるものだ。数量で稼げない構造の中で利益を出せた——これはある意味、業界の限界と可能性の両方を同時に示している。

この人事の本質はどこにあるのか

「サプライチェーン内人事」からの脱却

壁紙・内装業界では、メーカーや株主など川上のサプライチェーン 内から役員・社長が輩出されるケースが多い。岡田卓哉氏の経歴はその文脈とは異なる。フランフランでの感情体験設計、TKPでの営業・組織運営、そしてリリカラでの副社長としての実績——いずれも「モノを売る」より「場と体験を設計する」側のキャリアだ。

壁紙は本来、暮らしの空間そのものを変える商材である。それにもかかわらず業界では長年、品番・性能・施工性・価格という「スペック軸」での競争が主流だった。岡田氏の就任は、その競争軸を「顧客体験 という軸」へと意図的にシフトさせようとする意思表示と読むのが自然だろう。「遠すぎず、近すぎない」距離感の人材が中枢に入ることで、既存のフレームワークに揺さぶりをかける——業界第2位としての役割は、そこにあると思っている。

建築・内装業界は今後どこに向かうのか

「物売り」から「ライフスタイル提案」への構造転換

ゼロックス(Xerox)がプリンター会社からコンテンツカンパニーへ変わったように、壁紙業界も「壁紙を売る」から「壁紙を通じて何を届けるか」へのシフトが問われる局面に入った。この問いに正面から向き合う事業者がまだ少ない今、業界1位・2位のプレイヤーがその方向に動き出すことの影響は小さくない。

ただし、既存ビジネスの慣性は強い。施工網・流通構造・取引慣行——これらを抱えたまま体験価値軸に舵を切ることは容易ではなく、一筋縄ではいかないことも事実だ。それでも、今回の人事が「象徴」にとどまらず「実装」に至るかどうか。リリカラの次の一手を、業界全体が注目している。

山口 剛 株式会社遠藤紙店

Author:山口剛

プロフィール

## 活動概要

山梨県出身。家業である壁紙卸売業を継承しながら、壁紙専門店「WALLPAPER STORE」のウェブ編集者として従事。幼少期より壁紙という素材に親しみ、成人後にその真の魅力を認識。「空間を一変させる壁紙の力」に感銘を受け、家業の発展とともにインテリア業界における新たな事業展開を開始した。

「WALLPAPER STORE」においては、壁紙の魅力をより広範囲の顧客層に訴求するため、ウェブサイトおよびSNSを通じた情報発信を担当。DIY愛好家のチームメンバー、ならびに施主の要望と生活様式に寄り添いながらインテリア空間を共創する「ウォールスタイリスト」と連携し、初心者にも取り組みやすいアイデアをブログおよび各種コンテンツを通じて提供している。

## 経歴

1983年、山梨県甲府市生まれ。慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)卒業後、株式会社インテリジェンス(現:パーソルキャリア株式会社)に新卒入社。事業企画部門において、中期経営計画の策定、予算管理、プロジェクトマネジメント等に従事。関連会社の統合、事業譲渡、合弁会社設立等、多岐にわたる企業戦略業務に携わり、豊富な実務経験を蓄積した。

## 個人について

家族との時間を大切にし、週末は息子のサッカー活動に積極的に参加している。また、浦和レッズの熱心なサポーターとして、週末のテレビ観戦を楽しみとしている。




【ニュース解説】壁紙AI識別アプリが示す業務効率化の限界——建築業界が次に問うべきこと

カベピタ登録者3万人へ

壁紙AI識別アプリ「かべぴた」3万人突破——業務効率化の先に建築業界が問うべき体験価値とは

元記事:【会員3万人突破】壁紙AI識別アプリ「かべぴた」ユーザー待望の「メーカー絞り込み機能」新搭載

サマリー

壁紙の品番をスマホで撮るだけで特定できるAIアプリ「かべぴた」が会員3万人を突破! 待望のメーカー絞り込み機能も追加され、現場の壁紙探しがさらに楽になる見込み。

要点

【事実】 壁紙AI識別アプリ「かべぴた」が会員3万人突破・新機能追加 

【本質】 職人の”壁紙品番探し”という長年のアナログ作業をAIで代替 

【影響】 数時間かかっていた品番確認が数秒に短縮され現場効率が激変 

【変化】 普及品に続きデザイン壁紙への対応拡張で、業界標準ツールになる可能性

当NPOの理事がこのニュースを分かりやすく解説

壁紙AI識別アプリ「かべぴた」3万人突破——業務効率化の先に何があるのか

■ AIによる業務効率化は何を変えたのか

数時間の作業が数秒になる、これは小さくない変化だ

壁紙の品番確認は、現場では地味ながら確実に時間を奪う作業だった。似たような柄が600種以上並ぶ量産クロスの中から該当品番を探し出す作業は、熟練者でも数時間かかるケースがある。「かべぴた」はその工程をスマホ撮影だけで数秒に圧縮する。精度も業界最高水準とされており、最上位候補の正解率約90%という数字は実務に耐えうる水準と見ていい。

廃番品への対応も見逃せない。データ未登録の品番でも近似品番を5件提示できる機能は、補修案件の多い現場では特に実用価値が高く、大幅に 業務効率化 が図れる可能性がある。

■ この動きの本質はどこにあるのか

「品番ガラパゴス」に最適化されたAIという構造

注目すべきは、このアプリが建築業界の特殊な商習慣にそのまま適合している点だ。壁紙業界は長年、品番・見本帳・在庫・補修という固定的な軸で競争が行われてきた。言わば「型にはめた選択肢の中で最適解を探す」ことが業務の中心だった。

今回の AI活用 は、そのガラパゴス的な構造の中に精度よく組み込まれたものであり、業界の外側から市場を変えようとするものではない。だからこそ、現場への受容性が高く、3万人超という登録者数につながったと解釈できる。

一方で、見積りから失注に至る確率が5〜7割に上るとも言われるこの業界において、品番確認の効率化だけで事業の収益構造が改善するわけではない。「探す時間を削減したその先」に、何を置くのかという問いはまだ答えが出ていない。

■ 建築業界は今後どこに向かうのか

効率化の次は「体験価値」への問い直しが来る

時間が圧縮されれば、次に問われるのは「その時間で何をするか」だ。AIが検索・照合を担う時代において、人が担うべき領域は提案・ストーリー・顧客体験 の設計へとシフトしていく。

デジタルカタログひとつとっても、現状はPDFをオンラインに置いただけの状態にとどまるメーカーが大半で、UIや情報設計の面では他業界と比較して大きく後れを取っている。消費者がデモグラフィックではなくサイコグラフィック(価値観・ライフスタイル)で選ぶ時代に、業界がどこまで対応できるかが今後の競争軸になるだろう。

「かべぴた」は効率化ツールとして優れた取り組みだ。ただし、これを「DX推進の成果」として完結させてしまうのは早計に思う。業務改善と顧客体験価値の向上は、別の問いとして立て続けに問い直されるべき段階に、業界は差し掛かっている。

山口 剛 株式会社遠藤紙店

Author:山口剛

プロフィール

## 活動概要

山梨県出身。家業である壁紙卸売業を継承しながら、壁紙専門店「WALLPAPER STORE」のウェブ編集者として従事。幼少期より壁紙という素材に親しみ、成人後にその真の魅力を認識。「空間を一変させる壁紙の力」に感銘を受け、家業の発展とともにインテリア業界における新たな事業展開を開始した。

「WALLPAPER STORE」においては、壁紙の魅力をより広範囲の顧客層に訴求するため、ウェブサイトおよびSNSを通じた情報発信を担当。DIY愛好家のチームメンバー、ならびに施主の要望と生活様式に寄り添いながらインテリア空間を共創する「ウォールスタイリスト」と連携し、初心者にも取り組みやすいアイデアをブログおよび各種コンテンツを通じて提供している。

## 経歴

1983年、山梨県甲府市生まれ。慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)卒業後、株式会社インテリジェンス(現:パーソルキャリア株式会社)に新卒入社。事業企画部門において、中期経営計画の策定、予算管理、プロジェクトマネジメント等に従事。関連会社の統合、事業譲渡、合弁会社設立等、多岐にわたる企業戦略業務に携わり、豊富な実務経験を蓄積した。

## 個人について

家族との時間を大切にし、週末は息子のサッカー活動に積極的に参加している。また、浦和レッズの熱心なサポーターとして、週末のテレビ観戦を楽しみとしている。




【理事インタビュー】インテリアコーディネーターが地方で独立・継続できる理由——提案価値を武器に施工まで獲得したキャリアの実践録

インテリアコーディネーターの独立開業について解説

インテリアコーディネーターが地方で独立 提案価値を施工につなげた、デザイントーク・大谷氏のキャリア

北海道・旭川を拠点に、インテリアコーディネートと空間デザインを手がけるデザイントーク有限会社 代表の 大谷薫 さん。建設業を営む家庭に育ち、ニトリでの外商経験、大学院での学び直し、そして二人の子どもを育てながらの独立——その軌跡は、「遠回り」に見えて実は一本の線でつながっている。AI時代を迎えた今、「捨てない暮らし」を軸に内装業の新領域を切り拓く大谷さんに、キャリアの原点と業界への思いを聞いた。

目次


プロフィール Profiles

語り手

聞き手

~捨てない暮らしの先にあるもの~Antaa lab

AntaaLabが手掛ける建具や家具のリメイクを使用した内装。循環型社会とデザインの融合を旭川から発信している。








インテリアコーディネーターの独立は難しい

地方の内装業者こそ、全国ネットワークへ飛び込むべき理由——NPO法人加入が変えた情報格差と経営の視野

北海道・旭川を拠点に事業を営む大谷さんが、NPO法人住環境工事研究会の存在を知ったのは2013年。 壁紙屋本舗 等が出展した札幌のイベント会場に足を運んだとき、ひとつのブースが目に留まった。

「輸入壁紙 を使って、貼ったり切ったりしながらインテリアを楽しんでいる。うちのコンセプトである『インテリアを楽しく』と重なって、思わず声をかけたんです」

ブースを担当していたのが、当時の矢野社長(矢野哲夫 氏)だった。「こういうお店を私もやってみたいのですが、どうしたらいいですか」と率直に問いかけると、「自分だけでは決められない。壁紙屋本舗さんの了解が必要で、北海道で扱える店舗数にも限りがある」との返答。そのとき、目の前を 濱本さん(濱本廣一 氏)が通りかかった。矢野社長に紹介してもらい、人だかりの中でようやく話せた濱本さんから「矢野さんがOKなら大丈夫」という言葉をもらう。翌日には矢野社長へ電話し、翌週には直接会いに行った。

山口: それは積極的でしたね。最初にNPOへの加入を検討したとき、どんな印象でしたか。

大谷: 今とは全く違いましたね。「仲間に入れてもらえるかどうかはあなた次第」というスタンスで、毎月東京に来られるかどうかが最初の条件でした。入会金も含め、参加のハードルはなかなか高かったですね。

山口: それでも飛び込んだ決め手は何でしたか。

大谷: 同じ商材を扱う業者が全国でネットワークを持ち、一緒に販路開拓や商品開発をしているというところに、強く惹かれました。北海道にいると、どうしても情報の感度が鈍くなりやすい。うちの会社がある旭川は建設業が多い地域で、その中でどうお客様に求められる企業であり続けるかがずっと課題でした。皆さんの話を直接聞けることは、それだけで価値があると感じました。

山口: 業種が違っても、事業への向き合い方や新しい視点が得られるというのは、地方の事業者には特に大きいですよね。

大谷: そうなんです。濱本さんや矢野さんのように、常に次の一手を打ち続けている方々と直接対話できる。ECサイトへの投資もそうですし、新しい社屋への決断もそう。あの行動力から学べることは本当に多かったですね。ネットワークの価値は、情報だけじゃなくて、NPOメンバーから受け取る刺激が魅力だと感じています。

山口剛

Point of View

地方の内装業者が抱える「情報格差」は、受け身でいる限り縮まらない。大谷さんが展示会の会場で声をかけ、翌週には直接会いに行った、この行動力こそが今のキャリアを形成しているのだろう。業界団体への参加は「コスト」ではなく「投資」であり、全国水準の感度を持ち続けることが、地域に根ざした事業の競争力を支える。地方にいるからこそ、外に出ることをやめてはいけない。

インテリアの提案で心がけている事

「好きな仕事」を続けるために必要な土台

建設業の家庭で育ち、デザイン学科で気づいたインテリア業の本質

大谷さんの原点は、建設業を営む実家にある。父は朝から晩まで現場を駆け回り、母が経理を担う。設計事務所として始まり、施工まで手がける建設業へと発展した家業の傍らで、大谷さんは大工たちと卓球をして育った。

「土場に卓球台が置いてあって、大工さんたちとよく遊んでいました。写真を整理したら、誰かの膝の上に乗っている子どもの頃の自分が出てきて(笑)。職人さんに可愛がってもらっていたんだと思います」

そんな大谷さんだが、子どもの頃は非常に内向的だったという。最近実家を片付けていたら通知表が出てきて、「おとなしい」「発言が少し増えてきた」という担任のコメントが並んでいた。「我慢強い」という言葉も多かった。

山口: 今の大谷さんからはなかなか想像できませんね(笑)。進路はどのように考えられたんですか。

大谷: 商業高校に進んだのですが、事務職に全くときめきが持てなくて。その高校では歴代初めての進学者だったので先生にとても心配されましたが、地元に東海大学のデザイン学科があって、「デザインって何だろう、面白そう」と感じて進むことにしました。就職先が想像しにくいと周囲には言われましたが、両親が「いいんじゃない、やってみたら」と背中を押してくれて。

山口: デザイン学科の4年間はいかがでしたか。

大谷: 本当に楽しかったです。インダストリアルデザインを専攻して、製品計画や 空間設計 なども学びました。1年生のときは少し遊んでしまいましたが、2〜3年生からスイッチが入って、一番前に座って授業を聞くようになりました。モノを想像して形にすることの楽しさに、その頃ようやく気づいた感じです。今の仕事に通じるものが、全部そこにありましたね。

就職先はニトリを選んだ。説明会で会社の理念と熱量に強く惹かれ、「絶対ここに入りたい」と思った。しかし、一緒に参加した友人が「この会社苦手」と言っていた、というのも象徴的だろう。

山口: ニトリに惚れた理由はどんなところでしたか。

大谷: やっぱり「お客様のために」という思いが根底にある会社だと感じたんです。当時は平均年齢27歳くらいの若い組織で、非常に活気がありました。個人の頑張りに対してきちんと応えてくれる会社だということも、説明会の言葉の端々から伝わってきた。友人が苦手と感じたその熱さが、私にはまっすぐ刺さったんだと思います。

山口剛

Point of View

大谷さんのキャリアを追うと、「好き」を入口にしながら、その都度きちんと学び直し、結果で証明するというサイクルが繰り返されているのに気づく。デザイン学科を選んだ直感も、ニトリに飛び込んだ熱量も、根っこは同じだ。インテリア業界を志す人に伝えたいのは、センスより先に「なぜこの仕事をするのか」を問い続けることが、長いキャリアを支える軸になるということだ。

創造性と同じくらいに数字が大事

1億円を売るより大切なこと——ニトリ外商部で学んだ「数字で語れるコーディネーター」の条件

ニトリに入社した大谷さんが最初に配属されたのは、カーテン部門の販売員だった。同期の男性たちと売上を競いながら、少しずつ結果を出していった。1年半ほどで外商部へ異動になる。婚礼家具を中心とした営業の部署だ。

「おじさんばかりの部署に、22〜23歳でポンと放り込まれました。最初はなかなか成果が出なくて、正直サボっていた時期もありました。」

山口: そこからどうやって立て直したんですか。

大谷: あるとき、気持ちがスッと切り替わったんです。それからはコーディネーターの資格に挑戦して、4回目でようやく合格。翌年に建築士、その翌年に宅建と、一発合格が続きました。口に出して目標を宣言するようになったのもその頃で、「今年1億円売る」と周囲に言い始めたら、上司が案件を回してくれるようになって、実際に達成できました。

山口: 宣言することで、周りが動いてくれるようになったんですね。1億円達成の秘訣はどこにあったと思いますか。

大谷: 商品知識も生活経験もなかったので、特別なスキルがあったわけじゃないんです。ただ、お客様に対して誠実に向き合う姿勢だけは持っていたつもりで、それが伝わっていたのかもしれません。マンション一棟の照明プランをA・B・C案で提案して一斉に受注する、といった数字を意識した企画も自分で作っていて、そういうことを考えること自体が楽しかったですね。

数字を動かす面白さに気づく一方で、大谷さんは少しずつ違和感も覚え始めていた。1億円を達成すると、次は1億1千万円という目標が積み上がる。多くのお客様と接しながらも、顔を覚えられない状態が続いた。

山口: その違和感が、退職の判断につながったんですね。

大谷: そうです。数字が上がっていくこと自体は悪いことではないんですが、お客様の顔が見えなくなっていく感覚がどうしても拭えなくて。コーディネーターという仕事には、数字だけではなく、目の前の人の暮らしに向き合うという側面があると思っていますから。そこが満たされなくなったとき、「これは自分のやりたいことではないな」と感じました。

山口剛

Point of View

コーディネーターが「センスの仕事」と見られがちな業界で、大谷さんは徹底して数字と向き合い、成果で語り続けた。そして1億円という結果を手にしながら、それを手放す判断もできた。どちらも、自分の軸がはっきりしているから下せる決断だ。内装業界で長く活躍したいなら、美意識と数字感覚を同時に鍛えること。どちらか一方では、キャリアを支えきれない。

女性のキャリアをロングスパンで考える

大学院・子育て・派遣——その「遠回り」が独立の武器になる。インテリア業で長く活躍するためのキャリア設計

ニトリを退職したのは、結婚を機にしたキャリアの問い直しがきっかけだった。当時のニトリには、子育てをしながら働く女性社員のロールモデルがいなかった。自分がその姿を描けないまま働き続けることへの迷いが、背中を押した。

「夫が『大学院に行け』と言ってくれたんです。せっかく積み上げてきたキャリアを、もっと深めてみたらいいと。退職金を元手に入学しました」

山口: 社会人を経験してから入る大学院は、どんな感じでしたか。

大谷: めちゃくちゃ楽しかったです。在籍中に子どもが2人生まれて、ベビーカーを押しながら通ったり、お腹が大きいまま授業を受けたりしていました。研究生期間も含めると3年半ほどになりますが、卒業論文は出産や育児と重なって半年延期しながらなんとか仕上げました。今思えばよくやっていたなと思いますが、当時は必死でしたね(笑)。

研究生修了後は、東海大学の非常勤講師として14〜15年務めた。「さあ、社会へ」と気持ちを新たにしたのが35歳頃。しかし当時の求人には「30歳まで」という年齢制限が当たり前のように書かれていて、なかなか就職先が見つからなかった。

山口: そこでどう動かれたんですか。

大谷: TOTOの派遣社員の募集を見つけて、「自分のスキルに対して報酬が出るなら」と思い応募しました。派遣は自分の専門性で勝負できると思っていたので。ところが2年ほど勤めたころ、所長から「お前は独立したほうがいい」と言っていただいたことが、デザイントーク設立の直接のきっかけになりました。

山口: 矢野さんとの出会いもそうですが、節目ごとに背中を押してくれる方がいらっしゃいますね。

大谷: 本当にありがたいことです。ただ、ニトリの頃から独立願望はずっとあったので、タイミングと覚悟の問題だったとも思っています。子育て真っ最中でしたが、「やるしかない」と腹を決めました。固定費をできるだけ抑えようと、市の起業家支援施設のインキュベーションルームから始めました。家賃は月1万4千円ほど。デザイントーク立ち上げのスタートはそこでした。

大学院、子育て、非常勤講師、派遣社員——傍から見れば遠回りに映るかもしれない。だが大谷さんのキャリアを辿ると、それぞれの経験が独立後の事業を支える層として積み重なっていることがわかる。学び直しで得た専門性、子育てで培った段取り力、派遣で磨いたスキルへの自覚。どれひとつ、無駄ではなかった。

山口剛

Point of View

「遠回り」に見えるキャリアが、実は独立後の事業を支える「複利」になっていた。内装業界で独立を考える人に伝えたいのは、学びと経験はいつも無駄にならないということだ。焦って最短距離を探すより、自分の軸を持って積み上げた時間の方が、長く続く事業の礎になる。大谷さんのキャリアは、そのことを静かに、しかし力強く示している。

AI時代のキャリア形成、心がけている事

AI時代に内装業が生き残る新戦略——「捨てない暮らし」×空間デザインで拓く、コーディネーターの次の仕事

デザイントークを立ち上げてから、大谷さんはコーディネート業務を軸に事業を育ててきた。やがて下請けから元請けへの転換を意識し、建築工事の比率を高めていった。しかしコロナ禍を経て、ある問いが頭を離れなくなった。「市場全体がどう変わっていくのか、自分には視点が欠けていた」。

山口: コロナが大きな転機になったんですね。

大谷: そうです。NPOの勉強会でも毎年、業界の危機感が語られていましたが、正直なところ「頭では理解できるけど、自分に何ができるか?」で止まっていました。コロナで観光業が打撃を受けるのを目の当たりにして、一つの事業領域に依存することへのリスクを強く感じました。そのとき、リサイクル・リユースという社会の流れと自分の専門性を結びつけたらどうか、と考え始めたんです。

そして、リビセン(ReBuilding Center JAPAN)を知り、長野まで足を運んだ。アポイントは取れず、アポなしで突撃し、沢山の刺激を受けた。その足で奈良へ向かい、古材や古物を扱う店舗を見て回った。「まず空気感を探ってこよう」という行動力が、事業の輪郭を少しずつ形にしていった。

山口: そこから美瑛町の空き校舎活用へとつながっていくわけですね。

大谷: 事業再構築補助金の第2回に挑戦しようと準備を進めながら、できるだけ固定費を抑えられる拠点を探していました。美瑛町の空き校舎活用事業を知って、対象の校舎を全部調べて、今の場所に絞り込みました。補助金の採択前から美瑛町に企画を提案して、議会にかけていただくのと並行して申請書類も作る。採択されなかったらどうしようとは思いましたが、「絶対に取る」という気持ちで進みました。

山口: AntaaLabとして実際にスタートしてみて、いかがでしたか。

大谷: 最初はインテリア建材や内装資材の新古品の再販を想定していたのですが、一般の方の生活用品がどんどん持ち込まれるようになりました。「あそこは何でも引き取ってくれる」という口コミが広がって。壊れたものや割れたものまで来るようになったときは、正直戸惑いもありました(笑)。ただ、それが今のAntaaLabの方向性を決めてくれたとも思っています。

開設から3年。今は引き取ったものをどう循環させるかが課題だという。海外輸出、国内リサイクルショップへの引き渡し、そしてデザインを加えての アップサイクル。複数の出口を整備しながら、「同じものは二度と作れない一点物」の価値を積み上げている。

山口: 空間コーディネート とAntaaLabの循環事業が有機的につながっているのが、デザイントークさんのビジネスモデルの強みですよね。AI時代を迎えて、コーディネーターという仕事の役割はどう変わると思いますか。

大谷: AIを活用することで提案の幅は広がりますし、私自身も日々使っています。ただ、プロセスを一緒に楽しむこと、お客様の表情が変わる瞬間、完成したときの喜びを共に体感すること、そういった人と人との関わりはAIには代替できない価値だと思っています。カフェの依頼であれば、空間の形を整えるだけでなく、その事業が本当に成功するために何が必要かまで一緒に考える。お客様の暮らしや事業を豊かにしたいという根底の思いを大切にしながら、これからも取り組んでいきたいですね。

山口剛

Point of View

「捨てない暮らし」というコンセプトは、社会的な文脈と内装業の専門性を結びつける、今この時代にこそ必要な発想だ。大谷さんが示したのは、コーディネーターが「形を作る人」から「暮らしと事業を設計する人」へと進化できるという可能性だ。AIに仕事を奪われると嘆くより、AIを道具として使いながら、人にしかできない「共感と設計」を磨くこと。その実践者としての大谷さんのこれからに、大いに注目したい。

編集後記

取材を終えて印象に残るのは、大谷さんが「遠回り」を一度も後悔していないということだ。大学院、子育て、派遣——それぞれの場面で迷いながらも、自分の軸を手放さずに積み上げてきた。地方で内装業を営む日々の中で、情報格差や市場の変化に不安を感じている方は少なくないはずだ。だが大谷さんのキャリアは語っている。行動した分だけ、景色は変わると。

山口 剛 株式会社遠藤紙店

Author:山口剛

プロフィール

## 活動概要

山梨県出身。家業である壁紙卸売業を継承しながら、壁紙専門店「WALLPAPER STORE」のウェブ編集者として従事。幼少期より壁紙という素材に親しみ、成人後にその真の魅力を認識。「空間を一変させる壁紙の力」に感銘を受け、家業の発展とともにインテリア業界における新たな事業展開を開始した。

「WALLPAPER STORE」においては、壁紙の魅力をより広範囲の顧客層に訴求するため、ウェブサイトおよびSNSを通じた情報発信を担当。DIY愛好家のチームメンバー、ならびに施主の要望と生活様式に寄り添いながらインテリア空間を共創する「ウォールスタイリスト」と連携し、初心者にも取り組みやすいアイデアをブログおよび各種コンテンツを通じて提供している。

## 経歴

1983年、山梨県甲府市生まれ。慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)卒業後、株式会社インテリジェンス(現:パーソルキャリア株式会社)に新卒入社。事業企画部門において、中期経営計画の策定、予算管理、プロジェクトマネジメント等に従事。関連会社の統合、事業譲渡、合弁会社設立等、多岐にわたる企業戦略業務に携わり、豊富な実務経験を蓄積した。

## 個人について

家族との時間を大切にし、週末は息子のサッカー活動に積極的に参加している。また、浦和レッズの熱心なサポーターとして、週末のテレビ観戦を楽しみとしている。




空き家再生で年商1000万円起業家を輩出|地方創生の新モデル「JIN-TANO(ジンタノ)」

空き家で起業をサポート

地方創生の鍵、株式会社川幸はなぜ空き家再生事業に取り組むのか?|起業支援施設「ジンタノ」が実践する伴走型ビジネスモデル

愛知県高浜市。人口5万人に満たないこの小さな町で、一人の建築業者が静かに、しかし確実に地域の未来を変えようとしている。株式会社川幸の代表、神谷氏だ。屋根工事業を営みながら、16もの事業に挑戦してきた彼が50代後半で選んだ道は、古民家を再生したレンタルスペース「JIN-TANO(ジンタノ)」の運営だった。「田舎だからと諦めるのではなく、都市部でも地方でも、何かを始めたいという人の気持ちは同じ」。そう語る神谷氏の眼差しには、地方都市特有の諦めではなく、静かな確信があった。

Table of Contents


プロフィール Profiles

語り手

聞き手

空き家再生と地方創生を同時に考えるインフォグラフィック

空き家ビジネスを再考する

小さく始める勇気が地域を変える|多数の起業経験から生まれた空き家再生レンタルスペース「JIN-TANO(ジンタノ)」

かつて誰も見向きもしなかった古民家は、彼の手によって温かみのある起業家の拠点へと生まれ変わっていた。窓から差し込む柔らかな光が、DIYで整えられたテーブルや椅子を照らしている。

「これまで16の業種、16の企業に参加してきました。全てが成功したわけではありませんが、起業時の負担や費用面での苦労を経験してきました」と神谷氏は語った。その言葉には、失敗を恐れない起業家としての経験と、同じ道を歩もうとする人々への深い共感が滲んでいた。

きっかけは50代前半、自身の体の衰えを感じた時だったという。屋根工事業という肉体労働の将来を考えた時、神谷氏の中で何かが動き始めた。これまで自分が苦労してきた起業の道のりを、もっと楽に、もっと楽しく歩める場所を作りたい。起業したい方を支援できる場所があれば、共に楽しく事業を進められる。そんな思いが、レンタルスペース JIN-TANO(ジンタノ)という形になっていった。

興味深いのは、この事業を始めるにあたって神谷氏が誰にも相談しなかったことだ。家族にも従業員にも告げず、静かに準備を進めた。完成した時、周囲は驚きを隠せなかったという。しかし神谷氏の中には、明確な確信があった。

「田舎だからと諦めるのではなく、都市部でも地方でも、何かを始めたいという人の気持ちは同じです。場所さえあれば、やる気のある方が集まる」。彼のこの言葉は、地方創生の本質を突いている。問題は場所ではなく、機会の有無なのだ。

最初の賛同者は、偶然の出会いから生まれた。マルシェを主催していた石川氏が、市役所でふるさと納税の手続きをした際、担当者がジンタノを紹介したのだ。その日のうちに石川氏は現地を訪れ、「こんな場所が欲しかった」と即座に利用を決めた。行政職員の何気ない一言が、新しいビジネスの種を育てる土壌となった瞬間だった。

神谷氏が強調するのは、「小さく始める」ことの重要性だ。「小さく始めて、小さな失敗を繰り返しながら前進すれば、必ず道は開けます」。この哲学は、彼自身の16回にわたる起業経験から導き出されたものだ。大きな資本も、完璧な計画も必要ない。小資本で、短期間で、少人数で試してみる。その繰り返しの中に、本当の成功への道があるのだと。

ジンタノという名前の由来について尋ねると、神谷氏は穏やかに微笑んだ。詳細は語らなかったが、この場所が「人の縁(えにし)」を大切にする場であることは、その後の対話の中で十分に理解できた。

高浜市という地方都市で、サラリーマンの比率が年々増加している現実を、神谷氏は危機感を持って見つめていた。「新しい産業が生まれないことが問題です。新しいアイデアで新しい商売が生まれなければ、地域も国も活性化しません」。会社員という安定した働き方を否定するのではない。しかし、それだけでは地域の経済は循環しない。新しい挑戦をする人々が生まれ続けることが、地域の持続可能性を支えるのだという考えだ。

空き家という地域の課題を、起業支援という別の課題解決の手段に変える。空き家活用 という神谷氏のアプローチは、まさに地方創生の理想形だった。建築業者としての知識と技術、起業家としての経験、そして何より人を信じる力。これらが融合して、ジンタノという唯一無二の場所が誕生したのだ。

山口剛

Point of View

内装業に長年携わってきた私にとって、神谷氏の取り組みは新鮮な驚きだった。建築業者が単なる「場所の提供者」に留まらず、起業家の伴走者となる。これは従来の不動産ビジネスの枠を大きく超えている。特に印象的だったのは、失敗を恐れず16回も事業に挑戦してきた経験が、支援の質を高めているという点だ。理論ではなく、実践知に基づいた支援。これこそが地方に必要なものではないだろうか。

起業の為の要点を提言する

「好き」と「得意」だけでは続かない|財務・顧客視点・数字管理を伴走支援する起業家育成メソッド

ジンタノを訪れる起業家たちは、皆一様にポジティブでエネルギッシュだ。自分の好きなこと、得意なことを仕事にしたいという熱意に満ちている。しかし神谷氏は、その情熱だけでは事業は続かないことを知っている。

「得意なことと好きなことの二つの軸だけでは、必ず限界が来ます」と神谷氏は語った。数々の起業経験が教えてくれたのは、情熱と同じくらい、いや時にはそれ以上に「大事なこと」が存在するということだ。その「大事なこと」とは何か。それは採算性であり、集客方法であり、顧客視点であり、そして何より数字を把握する力だった。

印象的なエピソードがある。この地区でスイーツカフェを開きたいという方がジンタノに来た時のことだ。神谷氏は優しく、しかし明確に問いかけたという。「スイーツカフェもいいけれど、この地域でスイーツカフェを求めている方がどれだけいるでしょうか。実際には昼食を求めている方の方が多いのでは」。自分のやりたいことと、顧客が求めていることのギャップ。これに気づけるかどうかが、事業の成否を分ける。

別の事例では、タコスの試食会を開催した方がいた。お客様が来ているのに、その方は自分が作ったタコスばかりを見ていて、お客様の表情や反応を見ていなかったという。「飲食業で最も大切なのはお客様を見ることです」と神谷氏は指摘した。商品への愛情は大切だが、それ以上に顧客への関心が必要なのだ。

さらに神谷氏が徹底しているのは、数字管理の重要性だ。ある利用者に月次の売上一覧表の提出を依頼したところ、そもそも作成していなかったという。売上を毎日記録せず、原価も把握していない。「商売をやっているのか、遊んでいるのか」。神谷氏の言葉は厳しいが、その背景には深い愛情がある。

「数字は全世界共通の言語です」と神谷氏は言う。英語でも日本語でもなく、ビジネスの基礎言語は数字だ。売上、原価、利益、販売管理費。これらの数字を把握せずに事業を続けることは、地図を持たずに航海するようなものだ。神谷氏が利用者に求めるのは、この基本中の基本だった。

興味深いのは、神谷氏が「マーケティング」や「戦略」といった言葉をあえて使わないことだ。「うちに来る起業家の方々に5W1Hや戦略という言葉を使っても伝わりません。皆さん一気に引いてしまいます」。だからこそ、具体的で分かりやすい言葉で、一人ひとりに寄り添いながら伝えていく。世のコンサルタントのような華やかなプレゼンテーションではなく、地に足のついた対話。それが神谷氏の方法論だった。

実際、神谷氏が行っているのは、本質的には事業戦略の策定支援だ。なぜこの事業をやるのかというビジョン、1年後3年後の方針、自分の強みと弱みの分析、製品企画、流通チャンネルの設計。これらを利用者の状況に合わせてカスタマイズし、段階的に提示していく。まさに経営コンサルタントの仕事そのものだが、神谷氏はそれを「宿題」という形で、自然に、優しく提供している。

財務面のサポートも手厚い。利用者の財務状況を確認し、売上・利益・販売管理費を客観的に分析した上で、「これだったら続けられる」「これだったら見直した方がいい」と判断を示す。時には厳しい言葉もあるが、それは利用者の未来を本気で考えているからこそだ。

神谷氏が絶対にしないことがある。それは起業を無理に進めることだ。「早すぎることはあっても、遅すぎることはありません。本人がやりたい時にやりたいことをするのが最も幸せです」。準備が整わないまま資金を投入し、課題を解決せずに前進する。そうした性急さを、神谷氏は決して勧めない。

好きなことだけで進めば、早く限界が来る。しかし大事なことを一つひとつ積み重ねていけば、限界は遠退くのだ。動いてみることで自分の弱点や苦手な部分が見えてくる。それを受け入れ、学び、改善していく。ジンタノはそのプロセスを支える場所なのだ。

レンタルスペースやコワーキングスペースは全国に数多く存在する。しかし、ここまで深く、ここまで本質的に起業家を支援する場所は稀だろう。神谷氏が提供しているのは、単なる空間ではない。それは知恵であり、経験であり、時には厳しさを伴った愛情なのだ。

山口剛

Point of View

神谷氏の支援手法を見ていて、私は内装業の本質を考えさせられた。私たちは空間を作るが、その空間で何が行われるかまで責任を持つことは少ない。しかし神谷氏は違う。空間を提供し、そこで育つ事業の質にまでコミットしている。「好き」と「得意」に「大事」を加える。このシンプルだが深い哲学は、あらゆるビジネスに通じる真理ではないだろうか。数字という共通言語を大切にする姿勢も、ビジネスパーソンとして強く共感するものがあった。

起業家が地域社会を面白くする

年商1000万円の卒業生を生み出す仕組み|副業時代の受け皿から地域エコシステムへ

ジンタノの真価は、利用者が「卒業」した後に現れる。昨年は、2件の卒業事例があるという。神谷氏が一つの基準としているのは、年商1000万円だ。「その基礎を作る場所を、ジンタノで提供しています」と彼は語った。

卒業後のサポートも、神谷氏の支援の特徴だ。独立時には物件を紹介し、内装や外装の相談にも応じる。ジンタノで起業準備から伴走してきたからこそ、利用者の事業ドメインを深く理解している。その理解の上に立った施工提案は、通常の内装業者には提供できない価値だろう。「年商1000万から2000万へと成長できるようサポートしていきたい」という神谷氏の言葉には、卒業生への継続的な関心が表れていた。

ジンタノの強みは、空き家をカスタマイズしたノウハウにある。神谷氏自身がDIYで施設の5割以上を整備してきた経験が、卒業生への具体的なアドバイスを可能にしている。「自分でできることは自分で、プロに任せるべきことはプロに。その区分けを提供できます」。限られた予算の中で最大の効果を生み出す方法を、神谷氏は実践的に教えることができるのだ。

この地域にはレンタルスペースやレンタルオフィスがほとんどない。あっても狭く、利用しづらい。ジンタノは24時間利用可能で、個室から25人収容のセミナールームまで、用途に応じて選べる。テーブルや椅子のレイアウトも自由に変更でき、キャンドルイベント、お茶会、婚活イベント、忘年会、女子会、撮影、結婚パーティーまで、多様な用途で使われている。実際、安城市や西尾市といった周辺地域からも利用者が訪れるという。この自由度の高さが、ジンタノの比較優位性を生み出している。

神谷氏が注目しているのは、副業・複業という働き方の潮流だ。「副業や得意なことを収入に変えるトレンドは確実にあります」。一つの会社、一つの給料ではなく、複数の収入源を持つ生き方。それが社会的に認められれば、ジンタノのような場所の需要はさらに高まるだろう。実際、利用者の中には明確に本業と副業を分けていない人も多い。卒業していった2社も、副業として始めたことが本業になった。その境界は曖昧で、流動的だ。

ジンタノの社会的意義は、起業支援だけに留まらない。障害を持ち不登校だった中学生が、レンタルキッチンでお菓子作りをして社会性を身につけた事例がある。また、40年間教師を務めた方が「止まり木」という相談事業を展開し、発達障害や鬱など様々な悩みを抱える人々の受け皿となっている。「話すことで、解決の糸口を見つけられる方が多いです」と神谷氏は言う。

行政や医療の支援は確かに存在する。しかし、その枠組みから外れてしまう人々がいる。止まり木の島田先生は、どこからも支援を受けず、自由度高く活動している。「行政が手の届かない部分、各種支援からはみ出た方のサポートをされています」。この自由度の高さが、ジンタノとの親和性を生んでいる。

神谷氏の視点は、地域エコシステムの構築にまで及んでいる。行政、企業、個人といった固定的な枠組みを超えて、地域社会を支える有機的なつながり。ジンタノはまさにその結節点となっている。場所貸しであり、知恵貸しであり、スキル貸しでもある。様々な機能が重層的に絡み合い、一つの生命体のように動いている。

今後1年の計画について、神谷氏は具体的なビジョンを語った。ジンタノでスモールスタートした方に、高浜市内の空き家を紹介し、起業を提案する。カフェ開業を希望する方の開業を支援する。地域の輪を広げ、レンタルオフィスを増やす。そして何より、毎週末何かイベントが行われている場所にしたいという。「ジンタノに行けば必ず何かが見つかる」。そんなイメージを地域に定着させたいのだ。

年間の卒業目標は2〜3社。「地方都市の感覚では、3社あれば大成功です」と神谷氏は言う。現在の利用者は約50名。その中から年間2〜3件の起業が生まれる。一見控えめな数字に思えるかもしれないが、これが10年続けば20〜30社になる。地方都市において、それは決して小さなインパクトではない。

ジンタノで開催されるマルシェには2日間で約400名が訪れる。「物事を始めたい方に『やりたい』『やれそうだ』という感覚を持っていただけています」。この感覚の連鎖が、地域を少しずつ変えていく。新しい産業が生まれ、新しい挑戦が始まり、地域が活性化する。神谷氏が目指しているのは、そういう持続可能な循環なのだ。

今後は、卒業生や利用者のインタビュー企画やトークセッションも計画している。起業を検討している方々に、リアルな体験を共有する機会を提供する。「大事なことが何かを知ることで、多くの方が一歩を踏み出せるようになります」。成功体験の共有が、次の挑戦者を生む。その好循環を、神谷氏は着実に作り上げようとしている。

山口剛

Point of View

神谷氏の取り組みを俯瞰して見えてくるのは、単なるビジネスモデルを超えた「生態系」の構築だ。起業支援、社会的包摂、地域活性化。これらが有機的につながり、一つの循環を生み出している。内装業という仕事柄、私は多くの店舗や事業所の立ち上げに関わってきた。しかし、その後の伴走まで視野に入れた支援は稀だ。年間2〜3社という目標も、派手さはないが持続可能性がある。地方創生の本質は、こうした地道な積み重ねにこそあるのだと、神谷氏の話を聞いて改めて感じた。

編集後記

地方都市で事業を営む多くの方が、神谷氏と同じ想いを抱いているのではないだろうか。このままでは地域が衰退してしまうという危機感、しかし何から始めればいいのか分からないという戸惑い。神谷氏の実践は、その答えの一つを示している。大きな資本も華やかな計画も必要ない。小さく始め、失敗を恐れず、目の前の一人に真摯に向き合う。その積み重ねが、やがて地域を変える大きな力になる。あなたの町にも、きっと同じ可能性が眠っているはずだ。

山口 剛 株式会社遠藤紙店

Author:山口剛

プロフィール

## 活動概要

山梨県出身。家業である壁紙卸売業を継承しながら、壁紙専門店「WALLPAPER STORE」のウェブ編集者として従事。幼少期より壁紙という素材に親しみ、成人後にその真の魅力を認識。「空間を一変させる壁紙の力」に感銘を受け、家業の発展とともにインテリア業界における新たな事業展開を開始した。

「WALLPAPER STORE」においては、壁紙の魅力をより広範囲の顧客層に訴求するため、ウェブサイトおよびSNSを通じた情報発信を担当。DIY愛好家のチームメンバー、ならびに施主の要望と生活様式に寄り添いながらインテリア空間を共創する「ウォールスタイリスト」と連携し、初心者にも取り組みやすいアイデアをブログおよび各種コンテンツを通じて提供している。

## 経歴

1983年、山梨県甲府市生まれ。慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)卒業後、株式会社インテリジェンス(現:パーソルキャリア株式会社)に新卒入社。事業企画部門において、中期経営計画の策定、予算管理、プロジェクトマネジメント等に従事。関連会社の統合、事業譲渡、合弁会社設立等、多岐にわたる企業戦略業務に携わり、豊富な実務経験を蓄積した。

## 個人について

家族との時間を大切にし、週末は息子のサッカー活動に積極的に参加している。また、浦和レッズの熱心なサポーターとして、週末のテレビ観戦を楽しみとしている。